老後の住まいとして、マンションがいいのか戸建てがいいのか考えてみましょう。
ここでは、いろいろなケースを想定して、どちらを選ぶのがより良いのか検討します。
まずは、マンションと戸建てのそれぞれのメリット、デメリットを考えてみましょう。
マンションのメリット、デメリット
まずは、マンションのメリットとデメリットです。
メリット
何点か一般的なメリットを中心に挙げていきます。
管理と修繕を行ってくれる
毎月管理費、修繕費の支払が必要ですが、その分管理と修繕を行ってくれるのは、老後には有難いですよね。
ただし、管理費が高すぎないか、修繕費は適正な金額かは確認必須です。
管理費と修繕費は、払い続けなくてはならないので老後自分がどれだけお金をもらえるかも確認しておく必要があります。
しかし、修繕費は安ければいいというわけではありません。
文字通り修繕のための費用なので、適正な金額で積みあがってないと追加で持ち出しの金額が発生してしまいます。
特に中古マンションを買う場合には、買う時点でどれくらい修繕積立金があるのかは確認する必要があるでしょう。
自分に合った部屋数、間取りを選べる
注文住宅を買わない限り、戸建てで1LDK、2LDKを探すのはなかなか難しいでしょう。
マンションなら、1LDK~4LDKまでの大抵の間取りをカバーしています。
階段の上り下りがないので楽
これまた注文住宅を買わない限りは、戸建てで平屋はなかなかなく、2階建てであることがほとんどでしょう。
マンションであれば、基本的にはワンフロアです。
日々の掃除、洗濯など家の中での移動が楽なので、老後にはワンフロアがいいでしょう。
デメリット
今度はデメリットを見ていきましょう。
一部メリットの裏返しの部分もあります。
管理費と修繕費を払い続けなくてはならない
管理と修繕の心配をしなくて済みますが、その分お金がかかるのは事実です。
マンションそのものを現金で一括購入したとしても、管理費と修繕費で月に2~4万円の出費があるのは痛いですよね。
例えば、定年後を見据え55歳でマンションを購入した場合、85歳まで生きるとしても30年間あります。
つまり、管理費と修繕費に720~1,440万円も払うことになるのです。
かなり高額ですよね。
一戸建てに比べて土地が残らない
賃貸ではなく持ち家の場合です。
マンションでも厳密には土地の所有権を持っていますが、その土地を自由に使うことはできません。
戸建ての場合は自由にできる土地が残りますので、自分の死後も活用してもらえます。
戸建てのメリット、デメリット
次に、戸建てのメリットとデメリットを考えてみましょう。
メリット
まずはメリットから見ていきます。
管理費と修繕費の支払をしなくていい
マンションの場合は、問答無用で管理費と修繕費の支払が発生しますが、戸建ての場合は自由です。
管理費を払わない代わりに自分で管理しなければなりませんが、そもそもマンションとは違い共有部分が存在しないので
自分が必要だと思うところを必要だと思うだけ掃除したりなどすればいいだけなので、楽です。
管理を自分でするのがしんどいなら、業者を使うのもアリです。
自分が気になるところだけをメンテナンスしてもらえるので、マンションの管理費よりは断然お安く済みますよ。
修繕費は戸建てでも老朽化はするので必要になってくる費用なのです。
でも、年金暮らしで毎月決まった金額を積み立てるのがしんどい場合などは、まったく積み立てないという選択も出来るんですよね。
マンション管理規約等の制限がない
戸建てなので、どう住もうが自由です。
たとえば、マンションの場合、管理規約で「ペットは飼ってはいけない」なんて規定があることもあります。
子どもが独立した後のさみしさから、犬や猫などペットを飼いたい場合は戸建てのほうがいいかもしれません。
デメリット
次にデメリットです。マンションなら避けられた事態などがデメリットになりますね。
修繕が必要な時にお金がない
管理費のほうが、そもそも共有部分がないことと、日々のことなので自分自身が気にならなかったり、気を付けていれば節約できる費用ですが、
修繕費については、建物が老朽化することは避けられませんし、自然災害などで突発的に修繕が必要になったりすることはあります。
そんなときに、修繕費をこつこつ積み立てていない場合や、手元にお金がない場合は苦労します。
最初はこつこつ積み立てておこうと思っても、人間は年をとっても強制力がなければ、なかなか難しいものですからね。
修繕費の積立てについては、下の記事を参考にしてください。
階段の上り下りが必要
戸建てはほとんどが2階以上建てです。
平屋にでも済まない限り、家の中での階段の上り下りは絶対的に必要です。
老後の足にはたいへんな負担ですし、階段で転んでしまうなど家の中でケガをしてしまうことにもつながります。
また、1階と2階に部屋が分かれているため、家の中の室温が一定にならず、ヒートショックなどを起こしてしまうかもしれません。
戸建ては広い家も多いですし、2階部分の管理も大変になります。
さまざまなパターンでどちらがいいのか考える
一般的なマンションと戸建てのメリット・デメリットを確かめました。
ここから、今現在の状況などを踏まえた、さまざまなパターンで
老後はマンションがいいのか、戸建てがいいのかを確認していきます。
パターン1 30代で新築一戸建てを購入し、現在も住んでいる場合
30代で新築一戸建てを購入した場合、老後を考えなくてはいけない50代には築20年。
築20年も経つと、外壁の塗り直しや水回り、間取りも古臭くなり、リフォームを考えなくてはなりません。
『リフォームにお金をかけるくらいなら、住み替えも検討に入れたほうが良いのか?』
などなど、いろいろ考えますよね。
- 住んでいる場所はどこなのか?今後もそこに住み続けたいのか?
- 子どもは独立しているのか?子どもはどこで暮らしているのか?
- 年金がいくらもらえるのか?退職後もバイトをするつもりはあるか?
他にもいろいろと考えなければなりませんが、殊お金という側面から考えると
『いまの家をリフォームして、そのまま住み続ける』のがいいでしょう。
リフォームにかかるお金がいくらくらいなのかが問題になりますが、数社から数パターンで見積もりを取るのが良いです。
ただ、リフォーム会社ってたくさんあるんですよね。
一社一社から見積もりを取るのは大変ですし、同じ条件で比べるのも大変です。
どんなリフォーム工事も可能|リフォーム比較プロで一括で比較して資料請求するのがいいです。
リフォーム会社で見積もりを取って、いまの家をリフォームして、そのまま住み続けましょう。
こちらでも、老後の持ち家をどうするべきかまとめています。
パターン2 30代で新築マンションを購入し、現在も住んでいる場合
パターン1と違うのは、戸建てではなくマンションという点です。
戸建てではなくマンションの場合、管理費と修繕費が住み続けている限りかかります。
そこで大事なのは『年金や老後のバイト代から管理費と修繕費を払いきれるか』ということです。
築20年でリフォームが必要な場合でも、マンションの場合は管理費も修繕費も払っているため、
住めない程に老朽化はしていないはずです。
より快適に住もうとしない限りリフォーム代は節約できます。
まずは、『年金や老後のバイト代から管理費と修繕費を払いきれるか』をしっかりと確かめましょう。
パターン3 いま賃貸に住んでいる場合
現在は賃貸に住んでいる場合は、それが戸建て賃貸でもマンション賃貸でも条件はさほど変わりません。
いまは賃貸に住んでいる場合には、パターン1でも触れたさまざまな条件をまずはしっかり考える必要があります。
- 住んでいる場所はどこなのか?今後もそこに住み続けたいのか?
- 子どもは独立しているのか?子どもはどこで暮らしているのか?
- 年金がいくらもらえるのか?退職後もバイトをするつもりはあるか?
これがしっかり考えられた上で、戸建てでもマンションでもその条件が達成できる場合には、賃貸マンションがいいです。
賃貸の場合には、戸建てでも修繕費分相当が賃料に含まれていることが多いですし、マンションの賃料と戸建ての賃料に大差ないんです。
しかも、賃貸の場合には持ち家戸建てなら残る土地も残りません。
その条件の場合、間取りや場所の選択肢の多いマンションのほうが圧倒的にメリットがあります。
いま賃貸に住んでいる場合には、賃貸マンションに住みましょう。
何が大事かをしっかり考えよう
老後になにを大事にしたいかをしっかり考えましょう。
その条件をしっかり考えれば、あとはお金の問題だけです。
お金の問題は分かりやすいので、自ずとどっちが正解なのか見えてくるでしょう。
老後のお金については、こちらでもまとめています。
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